若い時の社会勉強 |
私は昔、某大手メーカーの特約店でピアノを売っていた事があります。
私には近江商人の血が流れているらしく、
売るのがとても楽しかった。
「売りつけてやろう」なんて全く思わないのに、
似ているものの違いを説明したり、その人に合ったものを提案したりしているだけで、
勝手に売れていった。
「じゃあ、これ・・・」と言われて、私の方が「えっ?もう?」と驚いたり、
「今日は見るだけのつもりで来たんだけどなー」なんて言いながら契約書を書かれたり。
会社の事務所の壁には、棒グラフの売り上げ表が毎月新しく貼られて、
大型鍵盤楽器を1台売ると、一マス埋められる。
或る月には、棒グラフが私のところだけ紙からはみ出して、
にょきにょき上に登り、天井につかえて、
忍者のように天井を這い、
遂に蛍光灯につかえるところまで行きました。
田舎の店だったのに、メーカーの全国キャンペーンでは、
私は新人級で全国1位、無差別級でも全国2位の成績を上げました。
(因みにバブルはとっくにはじけていて、不景気の半ば頃でした。えっへん)
私は媚びたりなんかできない、お世辞なんか言ったら口が腐るわという性質で、
接客していても、やっぱりそのまんまでしたが、
それでも「お客様は絶対」「自分が一番下」という世界で2年間働いて、
ありとあらゆる人と接した事が、本当によい社会勉強になりました。
この経験が今の仕事の人間関係にも役立っているな、と、よく思います。
「自分が他人より上」で生きてきた人を見ると、尚更そう思います。
黒い森の小さな村に、ビール醸造所がありました。一度試してみなくちゃ。
勤務先からの眺め。
・・・・・
それでなんで辞めたかって?
じゃあ、こっそり。