Grindelwald 3 氷河の峡谷 |
大学の教養時代、自然科学分野で私が選んだのは、物理学と図学。
「どちらも厳しいから、予備にとっておいた方がいい」
と強く薦められて渋々加えたのが、地学でした。
その地学に、はまった。
「こんな学問があるのか」と、面白くて面白くて、転部しようかと思うくらい面白かった。
私の高校に地学の選択がなかった事を、真剣に恨みました。
教養課程が終わる頃、大学の規則を隅々まで調べてみたら、
「他学部の講義を受けてもよい」という一文を見つけました。
有頂天になった私は、理学部の友人から時間割りを入手して物色し、
地質学科に乗り込んで、「規則に書いてありますから、受けさせて下さい」と頼み込んだ(私の人生って、こんなのばっか・・・)。
それからの私は地質に入り浸り、講義ばかりかフィールド調査にも加わり、
ヘルメットを被り、ハンマーをはじめとする七つ道具を腰に下げ、嬉々として歩きまわりました。
ドイツ文学で厳しくしごかれて、よく泣かされていた私は、
実は本業よりも地質学の方に夢中になって、成績も全て優を頂いた程です。
私の本来の学部の教授会では大問題となり、
私が会った事もない教授から、講義中に名指しで、
「うちの学部に、こういうけしからん奴がいる。そんな奴は理学部に行ってしまえ!」
と怒り狂われたという話しを聞きました。
(それを聞いても「あ、そう。嫌ーねぇ」で済ませた私・・・。)
転部も検討したのですが、「やりかけたドイツ文学を放り出してしまわず、きちんと卒業してから」と思いとどまり、
でも卒業までに結局、地質のかなりの単位数をとってしまっていて、今更入り直しても・・・となってしまいました。
「ドイツで地質を」とも思いましたが、私の興味があった分野はドイツよりもアメリカの方がよく、
ドイツを捨て切れなかった私は、結局地質の道には進みませんでした。
・・・・・
さて今日は、氷河の水が作った峡谷へ。
そんな地質時代を思い出して、久々に血が騒ぎ心が躍る感じです。
ここでは水晶がとれるそうです。

足場は濡れていて滑りそうで、かなりの高さで、柵もまばらで、怖い。

水量が多い時期には、この幅いっぱいに水が轟々と流れるそうです。

後ろを振り返って、ひょえー。

氷河も、氷河のお水も蒼いのです。背後の石の層にも注目。

そこら中から水が滴り落ちていて、ここは細い滝になっています。

部分的に鉄が入っています。
濡れるとチャートを思わせるぬめっとした灰色になるのですが、これは泥岩でしょうか。

足場がついているのは、ここまで。
お天気が悪くて他に行く所がなかったから行ってみただけだったのですが、
はぁー、大満足(うっとり)。

まあ、あの地質学科は来るもの拒まず、去る者追わずって感じありますね。
それにしても凄い地形してますね・・・。僕も行ってみたいです。
わははっ。そうだったんです。
でもねー、地調法のお二方のうち、お一人は「ま、いいんじゃないの」とあっさり承諾して下さったけれど、お一人には「そちらの教授会できちんと許可をもらってからにして下さい」と最初かなり渋られたんですよー。ま、今思えば当然の反応ですけれど、当時はかなり凹みました。
地質のお陰で本当に楽しい大学生活でした♪皆様に感謝です。
ここ、実に凄かったです。
ハンマーを持っていなかったので(当然か・・・)、ぐらぐら動くところをちょこっと貰って来ました。

私もよく他学部の専門課程の講義に行って単位も貰いましたけど
(さすがに実習は自分の学科ので手一杯だったので行きませんでしたが)
誰からも何も言われませんでした。大学によって違うものですね。
まあ、承諾する人と渋る人の顔がそれぞれ区別して浮かんできましたが・・・(苦笑)
地質を仕事にしていると・・・なかなか、思うことがまた違いますけどね。
まあ、ほんと同期生とお会いする機会も無くなりましたし・・・。
そうですね~、大学によっても、教授によっても、色々でしょうね。
講義中に怒り狂っておられたのは、我が道を行くので有名な方でしたし。
ドイツなら「副専攻」という形で、堂々と2つの学部を行き来する事ができるのですが。
またまた~、わかっているくせに(笑)。
でも私、渋られた御方に、その後一番なついてしまいました。
地質の実習は少人数で一応危険も伴うし、そんなドイツ文学からひょっこり来られても・・・という戸惑いは、今ならよくわかります。
私は地質を本業にしなかったから、今でも純粋に「地質大好き!」でいられるのだろうな、と思います。やっぱり、本業となると、いろいろありますよね。

せっかくなので,当時自分のために買ったスイスの地質図(1/50万)で調べてみたら,石英閃緑岩とジュラ紀の地層が接している地域でしたよ。それにしても,ダイナミック!個人的には,最初の写真の場所にうっとり。
わざわざ調べてくれて、どうも有難う!
ここは本当に露頭王国でした。車で移動した時にも、ちょっと停車できない場所で、ぐにょーんと二つ折りになった凄い石の層を見掛けましたよ。
子供達が大きくなってお留守番できるようになったら、是非一緒に露頭巡りしましょう♪

スイスの山岳地帯は,厚い氷河の下なので,地質図も白抜きのところが多いのです。氷河が溶けている昨今は,ちょうどよいフィールドかもしれませんね。スケールが大きいので,全ての露頭で感動!しますよね。
くまさんが,地質に来てくれて,私はほんと嬉しかったです。また,こんな風に地質のお話ができるなんて,ラッキーだわ~♪
なるほどー、氷河の下は白抜きになっているんだー。
地質では「よそ者がお邪魔して・・・」といつも気がひけていたので、そんな風に言ってもらえるなんて、とっても嬉しいです。有難う!