難民の診療

こんな田舎でも、ぽつりぽつりと、ウクライナ難民の受診が始まった。

血圧を測ったら、びっくりする程高かったり、

念のために血液検査をしたら、突然かなり重い腎不全になっていたり、

避難のハードさを感じさせられる。

ドイツでは、医者が必要と判断すれば、

難民は、検査も薬も、自己負担ゼロ。

ドイツで推奨されている予防接種なら、全て接種可。

「税金を払っていない外国人に・・・」という声は、今のところ聞こえてこない。

医者としては、これ、本当に素晴らしいと思う。

２０１５年の難民危機の時も同じ扱いだったけれど、色々と難しかった。

南方からで、旅程も長いので、感染症・伝染病を持ち込まれる可能性が低くない。

文化も宗教も違い、彼らは彼らのモラルを持ち込んでくる訳で、

それが受け入れ国のモラルと合わないのも、かなり問題だった。

また当時の難民は、強者でなければここまで辿り着けない部分があり、

つまり屈強な男性が多く、それを脅威に感じるという面もあった。

それで、受け入れを始めた頃は「助けよう」という歓迎ムードだったのが、

続々と到着した難民が公道にたむろするようになると、反感が高まっていった。

その点今回は、宗教は同じだし、丁度「ウィズ・コロナ」になってきた頃だったし、

高齢者や母子という弱者が大半なので、それは助けるのが当然という感じで、

色々とスムーズなのかなと思う。

皆がお国に帰れる日まで、元気でいてもらうのが、医者の仕事。

いつも通り、私は私にできる事を。

（兄こぐま、初めてのプール）

（妹こぐま、先日試験に合格して帯に色がついた）

今回はどちらも、色の上下が逆だけれど。