2022年 03月 01日
LESEBUCHGESCHICHTEN |
二人の男が話していた。
やあ、どうだい。
かなりまずいよ。
あとどれだけ残ってる?
上手くいったとして、4千だね。
どれだけ分けてくれるかい?
頑張っても8百だな。
そんなの焼け石に水だよ。
じゃあ1千。
すまんね。
二人の男は別れた。
話していたのは人間の数だった。
彼らは将官だった。
戦争だった。
「LESEBUCHGESCHICHTEN」より
(Wolfgang Borchert 1921-1947)
大学2年生、まだ碌にドイツ語も読めなかった頃、
ボルヒェルトに出会い、衝撃を受けた。
当時の日本では手に入らなかったので、借りて1冊丸々コピーした。
私がそこまでした、唯一の本。
ドイツに短期語学留学した時、本屋でメモを見せて、片言で注文した。
(↑Amazonリンク)
検索してみたら、あるんだ!!
どんな訳になっているのだろう。売れるのかな。
by germanmed
| 2022-03-01 04:22
| 本の虫
|
Comments(11)
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m
at 2022-03-01 06:38
x
何とも恐ろしい会話。
なぜにそんなことをしなければならないのか?
なぜにそんなことをしなければならないのか?
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ひかり
at 2022-03-01 08:54
x
まったく、異常な世界になってしまいますね…
本当に、人間は愚かだと。進化できないものかと。
今は突出してウクライナに関心が集まっており、私も日々気にしていますが
情報やニュースを見るにつけ、他諸国、地域でも色々な紛争や差別で普通の日常が
過ごせない人がどれだけいるか、想像して愕然とします。
嘆いているだけでなく、自分が出来る事を少しでもやらないと…
本当に、人間は愚かだと。進化できないものかと。
今は突出してウクライナに関心が集まっており、私も日々気にしていますが
情報やニュースを見るにつけ、他諸国、地域でも色々な紛争や差別で普通の日常が
過ごせない人がどれだけいるか、想像して愕然とします。
嘆いているだけでなく、自分が出来る事を少しでもやらないと…
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germanmed at 2022-03-01 22:10
> mさん、こんにちは。
ボルヒェルトは戦争や復員兵の世界を書いて、早逝してしまった作家です。
悲惨さの中にもユーモアのようなものがあり、絵画のような彩りもあり、独特の世界観が大好きです。
ボルヒェルトは戦争や復員兵の世界を書いて、早逝してしまった作家です。
悲惨さの中にもユーモアのようなものがあり、絵画のような彩りもあり、独特の世界観が大好きです。
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ao
at 2022-03-01 22:47
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私は大学二年のとき、中級講座のテキストがボルヒェルトでした。帰還兵が「責任」を返しにあちこち訪ねていく話。衝撃的でした。「イエスはもうやめた」だったかしら、確かに悲惨さの中にユーモアのようなものがありますよね。私も好きな作家のひとりです。
ボルヒェルトの名前を見て、思わず手が動いての久しぶりのコメントでした。
ボルヒェルトの名前を見て、思わず手が動いての久しぶりのコメントでした。
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germanmed at 2022-03-01 22:48
> ひかりさん、こんにちは。
本当にね。ウクライナは下手をしたら世界大戦になり兼ねないから各国が注目していますが、発展途上国の内紛など、ほぼ放置されていますものね。
本当にね。ウクライナは下手をしたら世界大戦になり兼ねないから各国が注目していますが、発展途上国の内紛など、ほぼ放置されていますものね。
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germanmed at 2022-03-01 22:53
> aoさん、こんにちは。
お久しぶりです!お元気ですか。一体いつになったら、またお会いできるのでしょうね。
こんな若造がこんなものを書けてしまう、その生き急ぎ方が切ないです。
お久しぶりです!お元気ですか。一体いつになったら、またお会いできるのでしょうね。
こんな若造がこんなものを書けてしまう、その生き急ぎ方が切ないです。
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germanmed at 2022-03-02 05:25
> P. S. aoさん
「イエスはもうやめた」はお墓を掘る話しでしたー。
「イエスはもうやめた」はお墓を掘る話しでしたー。
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coco
at 2022-03-02 12:29
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「イエスはもうやめた」
確かにどうして神様。どうしてなんですか?
こんな理不尽な事。。。
と、カトリックの私も思ってしまいます。
それでも私は神に祈ります。
どうか、これ以上ウクライナの人々ロシアの人々に試練を与えたもうことなかれ。と。
確かにどうして神様。どうしてなんですか?
こんな理不尽な事。。。
と、カトリックの私も思ってしまいます。
それでも私は神に祈ります。
どうか、これ以上ウクライナの人々ロシアの人々に試練を与えたもうことなかれ。と。
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ao
at 2022-03-02 17:33
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昨日、ボルヒェルトの本を引っ張り出して、久しぶりに読み返していました。凍土に掘った穴の大きさが適当かを試すためになかに入って寝かせられる、イエスと呼ばれる兵士の話でしたね。
私の父はシベリア抑留者で、凍土を掘って死者を葬ると薄いスープを一皿おまけに貰えたという話を子どもの頃に聞かされていたから、この話も特に印象に残っていたのだろうと思います。
ボルヒェルトの写真、とても20代後半とは思えないほどしっかりとしたお顔ですよね。若くして亡くなったことに改めて驚きました。
私の父はシベリア抑留者で、凍土を掘って死者を葬ると薄いスープを一皿おまけに貰えたという話を子どもの頃に聞かされていたから、この話も特に印象に残っていたのだろうと思います。
ボルヒェルトの写真、とても20代後半とは思えないほどしっかりとしたお顔ですよね。若くして亡くなったことに改めて驚きました。
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germanmed at 2022-03-03 04:28
> cocoさん、こんにちは。
そちらは、軍の命令でお墓を掘っている時、イエスと呼ばれている兵士がいつも穴に横たわって大きさを試す役だったのを、「もう嫌だ」と背いて去る話しなのです。
ボルヒェルトは戦争中の理不尽さや矛盾を鋭く、でもユーモアを残しつつ切り出していく作品が多く、ピリリという感じが私はたまらなく好きです。
そちらは、軍の命令でお墓を掘っている時、イエスと呼ばれている兵士がいつも穴に横たわって大きさを試す役だったのを、「もう嫌だ」と背いて去る話しなのです。
ボルヒェルトは戦争中の理不尽さや矛盾を鋭く、でもユーモアを残しつつ切り出していく作品が多く、ピリリという感じが私はたまらなく好きです。
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germanmed at 2022-03-03 04:33
> aoさん、こんにちは。
もしかしたら私がその話しを読み返していたのと、シンクロだったかも。
ボルヒェルトが長生きしていたら、どんなに有名になっていた事かと思います。
もしかしたら私がその話しを読み返していたのと、シンクロだったかも。
ボルヒェルトが長生きしていたら、どんなに有名になっていた事かと思います。