コロナワクチン後、初めての波

先週、往診当番医をした時に、

「うわっ、多！」と思った、コロナ陽性患者。

以前の波の当番医では滅多に出会わなかったのだけれど、それは恐らく、

今回は入院しなくてもよい軽症患者の割合が高いという事なのだろうな。

（当番医に電話すれば、公的健康保険なら全額保険負担で、すぐ往診される。それで当番医が、薬を処方したり、具合が悪そうなら入院させたり。単に不安なだけなら、電話で色々説明して済む事が多いけれど、大体かなーり長話になる。）

今回の波は凄く近く、初めてスタッフの周辺にまで迫って来た。

それが判ったのが、休暇最後の日。ひえーっ。

休暇明けは、待っていた患者さん達が押し寄せて予約ぎっちりになるのだけれど、

念のためにスタッフを一時ホームオフィスにする事にして、

そうするといつものスピードでは回せないので、その準備にバタバタ。

健診など急ぎでない予約は一人ずつ電話して、延期できるものは延期。

収まり切らないのは、私の休憩時間に回して、診ていく。

しかも休暇後初日は、新スタッフの初日とも重なり、

その晩は、就業中に並行してできなかったPC入力や書類が残り、

夜遅く迄かかってそれを片付け、

流石に最後は、頭の芯がぼーっとなって目が虚ろになってしまう位疲れた。

スタッフ持ち帰り用に、マスクや手袋や消毒液をこんな感じで揃えて支給。

私もそうだけれど、自分で買うと結構な出費になって、ついケチってしまうのよね。

スタッフを守る事が医院を守る事になるので、

今はプライベートでも、じゃんじゃん使って貰わなくちゃ。

Robert Koch-Institut: COVID-19-Dashboard

また赤くなってきたけれど、今のところ感染者数に対して死亡者が桁違いに少ない。

PCRテストもパンクしておらず、大体が即日に受けられる。

DIVI Intensivregister

ICU空きベッドはずっと安定。当番医の時も、すぐに搬送して貰えた。

私の知る範囲では、コロナ以外の医療もちゃんと機能している。

今回は、ワクチン接種が進んでから初めての波。

現在、全人口（接種対象でない子どもも含め）の６１％が接種完了。

そしてこの波は、現場から見て、以前の波と全く違うなという印象。

確かにデルタ株の感染力は凄くて、今迄より簡単に広がるのだけれど、

症状の軽さに「えっ」と驚く事が重なったのは、ワクチンのお陰なのかな。

苦しかったりしても、死と隣り合わせのあの緊張感がぐっと少ない。

当院の接種者で初のブレイクスルー感染も遂に出てしまったけれど、

そちらも本当に驚くほど軽症で済んで、よかったー。

医者としては、感染が広がるのは勿論大変なのだけれど、

兎に角、死なさない事が一番大事。

なので、うえーっと言いながらも、これならまだ耐えられるのだ。