芸は身を助く

私は昔から器用貧乏みたいなところがあって、

もともとは姉達の真似をして上手になった部分もあり、

後には姉達の御機嫌取りに、色々な作業をした部分もあり。

アクセサリー・雑貨店で働いていた時は、

ポップを凄く上手に描く子がいて、お互いに高め合ったり。

でもそれはいつも、趣味に毛が生えた程度だったのが、

今回の開業で、初めて色々と役に立った！

まずは、私が「こうしたい」という設計図を自分で引き、

建築家が様々な現実的な制約から、それにダメ出しし、代案を出す、

それを私が「それじゃダメなの」と図面を引き直し・・・

というのを本当に何度も、延々と繰り返した。

部屋割り、ドアや家具の配置、配管、配線、照明・・・

医院だと法的な規制も厳しくて、全く簡単ではない。

「自分で図面を引ける」「図面から実際を想像できる」というのを、

これ程有難く感じた事はなかった。

お陰で、私の「ここは絶対にこうじゃなくちゃ」というのと、

建築家のプロの視点とが融合した出来上がりになり、

９箇月働いて、設計上の不満は殆ど無し！

関係者や業者さん達からも「考え抜かれているね」とお褒めの言葉を沢山頂いた。

そして、デザイン関係は凄ーく節約できた。

本当に幸いな事に、姉や友人に幾つかお願いできて、あとは全部自力。

ロゴ、看板、名刺、書状などなど、いちいちデザイナーに注文したり、

ウェブサイトをプロに作って貰ったり（更新ごとに毎回お金がかかる）、

医院に飾る絵を買ったりしていたら、

あっと言う間に何十万、或いはもう一桁、飛んでいたと思う。

皆に驚かれるのだけれど、私は特別なソフトは何も使っていない。

先日の年末年始の挨拶状など、ピクセル数を連立方程式（！）で計算して、

無料ソフトでサイズを変えて結合させるだけ。

医院の看板も名刺も、ワードで作っちゃった。

医院の入り口のドアのイラストに至っては、コンピューターどころか、

スクリーントーンすら使わない、全手描き。

看板はガラス製。診療時間とか変えたら、剥がして書き直せるタイプ。

あと一つ、自然療法の肩書きを取ろうとしているところなので、

鍼の後にそれを書き足せるようにスペースを空けてある、節約仕様。

（しまった、看板の写真もう既に撮って出していたの、忘れてた・・・）

名刺。

「自分でやる」と言う度に、アドバイザー達に鼻で笑われたけれど、

どうよ、出来たやんか。