チレボンのバティック

私は手仕事に惚れるタイプなので、バティック（ろうけつ染め）も大好き。

これは超音波検査室に飾ってあります。

インドネシアはチレボンのバティックを初めて見た時は、

頭の中が「？」でいっぱいになった。

白地に細い色線があって、しかも多色染め。

一体どうやって作るの？？？

白い部分は、勿論ロウで伏せた部分。

つまり、染まるべき細ーい線を残して、伏せる。

スクリーントーンみたいに模様を入れていくのも、勿論全部手描きで、

それがまた、極細シャーペンか？という細かさ。

そして、筆で色付けするマレーシアのバティックと違い、

染料にどっぷり浸けて染めるので、

その度にロウを伏せ直したり、伏せ足したり。

１枚が出来上がるまでの手間を考えると、気が遠くなりそうになる。

ロウの割れを楽しむバティックもあるけれど、

ここのは、ロウが割れて色が入ってしまわないのが成功。

つまり、複数回染める過程で、

一度たりともロウが割れないのが完璧な姿となる。

染め物なのに、染まっていない白い部分が多い程、

難易度が上がるという、この矛盾はどうだ。

チレボンのは、インドネシアのバティックの中でも、白地が多い。

それが凄い、というのは、作り方を知ってこその価値観だろう。

しかも、紫外線に弱く、どんどん色褪せて模様が消えていく。

せめて自分が死ぬまで位、もってくれればいいのに！

でも、しまい込んでおくと、折り目が変色してしまう事もあって、

出してもしまっても、油断大敵の儚さなのだけれど、

それがまた諸行無常を感じさせてくれるというか、

悟りの境地に無理矢理追い込まれるというか。

兎に角、凄いもんなのである。

このバティックは、

ロウ描き

→化学染料に天然染料を重ね染めにして黄色に染め、黄色部分をロウで伏せる

→薄めの青をかけて黄緑部分を作り、黄緑部分をロウで伏せる

→濃い目の青をかけて濃い緑にして、濃い緑部分をロウで伏せる

→更に青をかけて、濃い青にする

→ロウ落とし

という過程を経ているのだそう。

もう随分古くなってしまったけれど、私の携帯電話ケース。

１ミリが巨大に見える、この模様の細かさを見よ！

全体図は洪水のペン子ちゃん漫画。

タグまで手描きバティックだし、縫製も丁寧だし、

クッション材も入れ、背面ポケットもつけ、

鞄の底から引っ張り出せるようにリボンまでついている！

どちらも賀集由美子さんの工房のバティックです。

さて、ここでお知らせです。

１０月１４日（水）・１７日（土）の二日間、
+62インスタグラム・ライブ「チレボン・バティックのお話会」と「バティック販売会」が行われます。

https://plus62.co.id/archives/18788

争奪戦、楽しそう！　是非どうぞ♪

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