スパゲッティ革命

「我が家の主食はミートソーススパゲッティ」と言ってもいい位、ミートソースは我が家の定番です。
もう２０年以上作り続け、週末に作り置きしては食べつなぐ常備ソース。
根菜をたっぷり入れ、これ一皿でお肉も野菜もあって安心。
毎日食べても飽きない、ほっとできる味。
誰に出しても「おいしい！」と言ってもらえる、自慢のソースだったのです。

さて先日、辰巳芳子さんの料理本を見ていて、たまたま「サルサ・ボロニェーゼ」に目が留まりました。私のソースと材料はほぼ同じで、作り方も似ていて、ちょっと手順が違うだけなので、「まあこれはわざわざ作ってみるまでもないか」と、試した事がなかったレシピです。ふとそれを、作ってみようかと思いました。
材料はもう買ってあった「私のソース」のものを中心に、あるもので。
挽き肉なんて、スーパーで賞味期限が近づいて値引きされていたもの。
でも、作り方は書いてある通りに。


いやー、驚きました。作り方と材料のほんの僅かの違いで、ここまで変わるとは！
ただのミートソーススパゲッティなのに、もの凄く大御馳走に感じられるおいしさです。
お皿についたソースもこそげ落として舐めずにおられない。
今迄のは何だったの？！という位、革命的でした。

「仕上がった状態は肉と野菜は混然。

肉臭はせず、香りに満ち、食後ももたれません。」

正しく、その通りでした。

晩に私が仕事から帰宅したら、兄こぐまが玄関で待っていて、
「きょうのソース、おいしかった！やめられない、とまらないだった！」
と、如何においしかったかノンストップで語り続けてくれました。
妹こぐまも、口いっぱいに詰め込みたいのにフォークに少ししか乗らなくて、癇癪を起こす始末だったそう。
週に二日は、朝から晩までの勤務で、私は三食とも一緒に食べられないのですが、
このソースさえ作っておけば、全く心配せずにいられます。


「食べられるものを作ってもらえることは、親子の絆の大切なよすがなのです。
親を信頼することで、人の子は信頼に足る人間になってゆきます。」
ははーっ、努力致します。

辰巳芳子さんという人は、私は余り好きではないのだけれど、レシピは本当に凄い。
この人のレシピの一字一句も疎かにせず、きちんと従って作ったものは、
疲れ切っていたり病気で弱っていたりしても、すっと喉を通り体に染み渡る感じがします。
先週は、この本の「サルサ・ボロニェーゼ」と「焼きみそ」に命をつないでもらいました。

仕事を始めて２週間が過ぎました。
色々とポジティヴなフィードバックも届き始め、大変でも幸せな毎日です。


こぐまの幼稚園の夏祭りに持って行った、くるみ味噌の焼きおにぎり。
テーマは「世界」で、おやつビュッフェはお国料理の持ち寄りでした。
幼稚園児の妹弟から、両親、おじいちゃんおばあちゃんまで、
万人の口に合い、食べやすく、ビュッフェに並べておいても乾燥したりへたったりしないもの、
と悩みに悩み、これと決め、試作を重ね、当日には何とか納得のいくものが出来ました。
帰る時には飾りの人参まですっぺりなくなっていて、よかったー。

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