妊娠糖尿病(3)血糖値を上げやすい食べ物・上げにくい食べ物 |
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炭水化物の摂取量は、自分の好みやライフスタイルなどによって決め、それに合わせてインスリンの投与量を決めればいい訳なのですが、それには「血糖値を上げやすい食品」「血糖値を上げにくい食品」を知り、自分で「これなら、この位の分量を食べてもいい」という見積もりができる事がとても大切になります。
妊娠糖尿病では摂取する炭水化物(糖質)あたりのインスリン必要量が通常の何倍にもなっていますから、ドイツでよく使われるBE(Broteinheit)の計算では大雑把過ぎて、上手くコントロールできないかも知れません。
最近の多くの食品には、「100g(或いは100ml)あたりの含有量」という表がついており、そこの炭水化物(糖分)のところを見るのが、私の場合は一番参考になりました。
但し、乾物はもどすと膨らみますので、実際に食べる量を考えて換算する事が必要です。
メーカーによっても結構差があるのですが、我が家の食品から例を挙げると・・・
(後ろの括弧内は糖分の量です。)
オレンジジュース 10.0g
牛乳 4.9g
トマトジュース 3.1g (2.8g)
豆乳 2.0g (0.8g)
白米 77.3g (1.0g)
とうもろこし粉 75.4g
スパゲッティ 71.0g (3.2g)
全粒ライ麦クラッカー(Knaecke-Brot) 63.0g (2.4g)
シリアル(ドライフルーツ入り、砂糖無添加) 61g (28.7g)
シリアル(ドライフルーツなし) 53.9g (0.8g)
大豆粉(Soja-Mehl) 3.0g (3.0g)
Flohsamenschalen(エダウチオオバコの種子の皮) 1.7g
亜麻 0.0g
干しブドウ 68.0g (67.1g)
乾燥ひよこ豆 44.3g
乾燥レンズ豆 41.2g
乾燥グリーンピース 41.2g
乾燥大豆 3.1g (3.1g)
冷凍グリーンピース 5.4g
カボチャの種 17.8g (1.0g)
ヒマワリの種 12.3g (0.0g)
アーモンド 5.4g (3.7g)
ヘーゼルナッツ 4.0g (4.0g)
煮干し 0.3g
ケチャップ 20.9g (20.0g)
この、炭水化物の量か糖分の量か、どちらを見る方がいいかというと、
私の場合は炭水化物の方でした。
例えばシリアルのドライフルーツの有無によって糖分の量は随分違い、確かに血糖値の上がり方も違うのですが、それでも大豆と較べると(大豆の方が糖分は多い)ドライフルーツなしのシリアルの方が断然血糖値が上がります。白米など、糖分の量は意外に低いのですが、がんがん上がります。
加工調味料、加工食品は要注意です。重量の20%が糖分であるケチャップは勿論の事、和食は甘辛く味付けする事が多いため、日本の加工食品には砂糖やみりんが沢山入っています。
また、小麦粉や片栗粉でとろみや衣をつける料理法は、たったそれだけでも意外に血糖値に反応が出ます。
外食では、炭水化物の付け合わせ(日本でいう主食)を食べなければ大体大丈夫なのですが、一度中華料理に行った時はそうしても駄目でした。揚げ物の衣、あんかけの片栗粉、調味料としての砂糖などが、思っているより多かったようで、普段の2倍以上のインスリンが必要でした。
豆類では大豆が優等生です。大豆粉は自然食品店に売っているので、それを使ってパンを焼いたり。レシピを探すキーワードは「low carb」です。
私は冷凍グリーンピースやお豆腐も御飯の代わりによく食べます。
チーズは、ものによっては「炭水化物ゼロ、糖質ゼロ」というものもありますが、全体的に脂肪分が高いので、カロリー面では要注意です。あと、前回も書きましたが生乳を使っているチーズは妊婦さんには禁止です。
野菜(じゃが芋、とうもろこし、一部の豆類を除く)、肉や魚、脂肪分なども血糖値を上げますが、その度合いは低く、また上がり方も緩やかなので、大量に食べない限りは余り考慮する必要はないと思います。
1型糖尿病では豆類や野菜でも1時間位遅れて血糖値が上がったりするのですが、「キャパオーバー」としての妊娠糖尿病ではまた違います。自分の場合考慮しなければならないかどうかは、一度食べて測定してみればすぐ判ると思います。
前回も書いたように、朝は炭水化物の許容量が特に少ないため、私も朝食の炭水化物を抑えるように努力しています。と言っても、私はシリアルは欠かせないので、シリアル(フルーツ入りとフルーツ無しを混ぜたもの)をFlohsamenschalen、亜麻、ヒマワリの種で倍くらいに増量し、牛乳ではなく豆乳を使うようにしています。味の薄さは、きなことシナモンを加えて補います。上の表を見れば、シリアルと牛乳だけよりも、随分炭水化物の量が抑えられるのが判ると思います。
因みにFlohsamenschalenと亜麻はお通じをよくするので、これで便秘知らずです。どちらも自然食品店やドラッグストアなどに売っています。
あと、血糖値が下がってエネルギー補充が必要な場合と、
血糖値は普通だけれどお腹が空いた、という場合を区別して考える事が大切だと思います。
前者の場合は糖分を補給しなければいけませんし、
後者はなるべく糖分が少なくてお腹に溜まるものが必要です。
血糖値を上げにくい間食としては、
ナッツ類と煮干しを合わせて炒ったものを食べたり、
合わせて牛乳やトマトジュースを飲んだり。
トマトやきゅうりなどを齧る事もあります。
私の場合は、りんご一切れなら大丈夫なので、それも積極的に間食に。
外出時には、
血糖値が下がった時のためにブドウ糖、全粒パン、りんご、
血糖値は普通で空腹になった時のためにナッツ、白身魚のフライ、チーズ、
などを持って行きます。
次回は実際の私の献立例を幾つか御紹介します。
後日談:「血糖値を上げにくいパン(炭水化物4,9%)を見つけた!」

遂にオーヴントースターを買いました。
一人分の冷凍食品を焼く時とか、ちょっとパンをあたためたい時とかに、
大きなオーヴンを使うのは電気代が勿体なくて、ずっと欲しかったのです。
日本のより一回り大きくて、この冷凍ラザニアがきっちり2個入ります。
扉も二重ガラスだし、一応温度設定ができるし、大満足。
因みにこのラザニアは、私が学生時代に時々食べていたもの。
当時は確かほうれん草のパスタだったと思います。
化学調味料、香料、着色料無添加で、今でも1.25ユーロという安さ。
色々なメーカーを食べ較べてみたけれど、これが一番好き。「これでもか」という位たっぷり黒胡椒をかけて食べるのがお気に入りです。ペニーに置いてあります。
この一食分に計60.8gの炭水化物が含まれています。

オーブントースターがあると本当に便利ですよね。
これくらいの大きさはいいなぁ〜。良いの買われましたね。
そのラザニア、1.25ユーロ!安くて美味しいなら更にいいですね!食べてみたい!
ドイツのトースターはパンを垂直に突っ込む形のものが多いのですが、最近こういうのも増えてきたなあと思います。
このラザニアに野菜を載せて焼いたり、最後に卵を割り入れて目玉焼きにしたり、色々やっています。ふふふ。
普通の糖尿病だったら、低グリセミックの食事法で行けば改善されるパターンもありますけど、妊娠中の糖尿病って、つわりとか胎児の栄養とかいろいろな意味で…難しそうですよね…トラウベンツッカーとか常備して、無理しちゃだめですよ。
本当にその通りなんです。妊娠糖尿病も低グリセミックで改善されるのですが、それがなかなか難しくて・・・。
でも妊娠中期になってからは随分落ち着きました。ご心配有難うございます。
「低グリセミック」は「低炭水化物」の意味で書いておられるのかと思っていたのですが、「低GI」の事でしたか。
GIというのは、食後の高血糖のピークがきついか緩やかであるかという指標ですが、実際の食べ物への炭水化物の含有量は考慮されていないのが問題なんです。(前回文中のGLというのが、GIに更に炭水化物の含有量を考慮したもので、こちらの方が使えます。)
例えばコーンフレークス(殆ど炭水化物の塊)ですと、GIは84、GLは73で大差ないのですが、人参ですとGIは72もありますがGLはたったの3なんです。
確かにヨーグルト(脂肪分)や野菜(食物繊維)と一緒に摂取すると、炭水化物の吸収が遅くなり、高血糖のピークは緩やかになります。ただ、ヨーグルトなど乳製品にはもともと炭水化物が含まれているので炭水化物の摂取量は増えますし、生野菜を食前に食べると食欲増強になるのも問題です。
私の場合はGIを抑えても大して効果は無く、矢張り炭水化物の摂取量そのものの影響の方がストレートです。
玄米は健康的ですね!