思春期には

さて、少し大人に近づいた私は、
「渋好み」に更に拍車が掛かりました。
アントニオ・ガデス。
彼の舞踊団が来日し、その舞台を観に連れて行ってもらった時は、
同じ地に生身の彼がいると考えただけで、行く前から大興奮。

最近動画を見つけて、中毒患者のように何度も再生しています。
はあ、シビレルー・・・。




これは彼が若い時の素晴らしいファルーカです。
最初インタヴューが少し入っていますが、
眉間に皺を寄せて踊っていない時には、こんな下がり眉だったのね・・・。




まだまだ子供だった私は、相手役のオヨスが美人でないのが不満でしたが、
ガデスと踊るのは、やっぱりオヨスでなければいけないのです。






おまけ
これはちょっと長いのですが。


恋焦がれている人が、他人の花嫁になる。
その時のガデスの目が、踊りが、たまりません。
年齢設定に無理があるとか、そんなのはどうでもよいのです。



舞台の後。
ガデスを目当てに、沢山の花束が寄せられたけれど、
彼は自分一人だけ花束を受け取るという事はしたくなかったのか、
受け取って貰えずに置き去られた花束が、舞台にずらりと並んだ。



その十数年後、彼は病に斃れた。
彼自身の願いにより、葬儀もなし、棺すら衆目に晒さなかったと知って、
更に感じ入った。