アナクロな私 |
デジタルカメラの普及と共に、そこそこ写真の上手い人が俄然増えました。
それまでは、写真と言えば、お金の掛かるもの。
そうそうパシャパシャ撮れるものではなかった。
本当に写真が好きで、お金を注ぎ込んで撮りまくっているごく一部の人が、上達を許されるだけでした。
デジタルカメラの性能もどんどんよくなって、
いいカメラさえ持っていれば、それなりの写真が勝手に撮れるようになり、
普通のカメラでは考えられなかった瞬間を、きっちり切り取ってくれる事もある。
でも、何だか写真がつまらなくなった。
お金が掛からないから、くだらない物でも撮って記録しておく。
適当に撮る。
それを、コンピューターで美しく加工する。
写真が偽物になってしまった。
プロの写真のカレンダーや絵葉書などでも、最近は嘘くさいものが増えて、足を棒にしても買いたいものが見つからず、ほとほと困る。
私が自分の写真を全く加工しないのは、些細な反抗心なのかな、と思います。
どうせ、そんな凄いカメラを持っている訳でもないし、腕も所詮この程度なのだから。
しかも、見る側がどんなモニタ(ディスプレイ)でどんな設定をしているかによって、どうせ変わってしまう。
(特に最近のモニタは、「鮮明」と称して何ともどぎつい色になっていて、「げぇっ」という写真になってしまったりする。)
現像だって加工の一種ですし、真実を写せばそれでいいというものでもない。
そういう意味でコンピューターでの加工は、新たなる表現の可能性の広がりなのですが、
私が嫌いなのは恐らく、「適当にコンピューター技術で誤魔化した」という上っ面の美しさなのでしょう。
CGを駆使するようになった最近の映画も、つまらなくなってしまった。それよりは、「如何にも舞台装置です」という昔の映画の方が私は好き。
実は、医学の世界も同じです。
超音波だのCTだのMRT(MRI)だのが発達して、親切に3Dの画像まで合成してくれたりもするようになった。
それはそれで、実に凄い事です。
でも、私の整形外科の医長がいつも言います。
「技術が発達したのは、素晴らしい。利点も勿論沢山ある。
でも、それらは全部、コンピューターで作られた姿なのだという事を、決して忘れてはいけない。
コンピューターを通したら、何でも見たいものを見せる事ができるのです。
本当の真実を写しているのは、レントゲンの影だけです」
実は私は、学生時代にレントゲンの読影にはまって、
呼吸器科の名医のところに毎週通って、特訓を受けていました。
レントゲンは、真実をありのままに映す。そこに嘘や誤魔化しは無い。
そして、悔しい程の限界がある。その限界を知った上で、読影する。
こんな薄暗い部屋で、お昼休みもなしに、夢中で朝から晩まで。
レントゲン写真は美しい。
そして、美しい本物の写真を撮る人も、探せばちゃんといるのです。そんな出会いに感謝。
過去の関連記事:「私と写真」
記事を読んでドキリとしました。
最近パソコンで画像処理ができることを知り、私も加工していたからです。 加工が必要な時がどうしてもあるのですが、それでもそのものがその瞬間持っている色に手を加えてしまうのはよくないですね。
偽物にしてしまっている、ということに気付いて目が覚めました。
どくとるくまさんの言葉、心に受け止めました。
記事に書いていただいてありがとうございます。
どんな画像診断が必要であるかは、何を知りたいかにもよるわけでしょうから、一概に高度な画像処理が悪いわけではないけれど、「限界を理解したうえで慎重に読影」というのは、「読影」という言葉を変えれば、医療行為はもとより、人生の全てに通じるモットーではないかと思います。
大体、高度な機械は医療費も跳ね上がるわけですから、むやみに乱用すれば、保険を圧迫しますし、CTはかなりの放射線を浴びるわけですから、これも問題。
長い間、ネットの世界でもがんばっていらっしゃるくまさんが、「アナログ系」とは、ほっとします。でも、日記を読んでいると、わかるかも。
私はね、時間をかけて加工するくらいなら、自分の下手な写真を載せて、ありのままの自分を見せようと開き直っているので、写真の加工はいたしません。単に、図太い神経の持ち主だったりして。
そんな風に真面目にとられると、恐縮します。私の言いたい放題なだけですので。
写真も芸術と捉えれば、必ずしも写実である必要はないのですし、加工による表現の広がりもいいと思うのですけれどね。矢張り工業製品が手仕事に敵わないのと同じ事かしら。
実はまさみさんのブログ、既に先日拝見させて頂きました♪
あの、ガラスのトイレットペーパーホルダがいいなー、売ってもらえないかなー、などと思いながら(笑)。
これからも、どうぞよろしくお願い致します。
あ、日本語では「読図」じゃなくて「読影」でしたね(恥)。直しておきました。
医学の方は、好き嫌いとか、どちらがいいとかではなくて、
CTやMRTをレントゲンと同じ「写真」と思って読むと痛い目に合う事があるぞ、
という話しでした。
ちょっと解りにくい書き方をしてしまいましたね。すみません。
うふふ。私、古い人間なんですよ~。
内職?で写真加工の仕事もしてるので、Photoshopで、あちこち加工しながら、美しくっぽくみせたり。
でも、本当に感動する写真は、オリジナルがすばらしいですね~
どくとるくまさんの写真、大好きです(ハート)
CT写真は「つくられたもの」ですか、ドッキリです。う~ん、複雑。
それでも私の病気、レントゲンじゃ見つけられなかったんですよねー。CTでやっと病名が判明するまで2ヶ月以上悶々としていて・・。娘も6歳のときから脳腫瘍の疑いで半年おきのMRTを2年間ほど受けてたし・・。こちらは毎回祈るような気持ちだったのだけど。信頼に足りるものだと私は信じていたいなあ。
わぁ、「大好き」とハートを頂いてしまった♪♪♪
(ダディさん、ごめんなさい・・・。)
あ、そういう意味ではないので、どうかご心配なく。
腫瘍などの診断には、勿論レントゲンでは駄目で、CTやMRTが必要です。
私の医長の教えは、「CTやMRTの写真を見る時には、それが合成されたものだという事を頭の片隅に置いておけ」という事でして、それらの写真が信頼できないという訳では決してありません。
こういう写真の読影というのは、見えるものも見えないものも読む、というレベルですので、こういう表現になってしまう訳です。
ドッキリさせてしまって、すみません。
私自身も、アナログとかモノクロームの写真に、惹かれますよ。
(むろん、私は患者の家族でしかありませんでした・・・。)
当方はヨーロッパカラーというヨーロッパ在住の日本人ブロガーさんによるブロガーさんの為の情報サイトを運営しております。
ご登録は無料になっており、ご登録後、記事が当サイトへ反映され、ブログのランキングサイトの様にアクセスを稼げる仕組みになっております。
(まだプレOPEN中ですので、今ご登録頂ければ、ランキング1位も夢ではありません)
当方の判断で素晴らしい記事を書かれているブロガーさんのみにご招待の投稿をさせて頂いております。
是非この機会にご登録頂ければ幸いと思いご連絡させて頂いた次第でございます。
宜しければ下記より、ご登録頂ければと思います。
突然の投稿にも関わらず、最後までお読み頂き有難うございました。
そうですね。LPとCDは音質が全然違いますね。
デジタル写真の恩恵を私も存分に受けていて、技術の進歩も素晴らしいと思っているのに、我ながら矛盾しています。
レントゲンにいい思い出のある人は余りいないでしょうね。
ところで私、この「しか」に引っ掛かります。
(多分返コメなど見に来られないと思いますが・・・。)
お誘いは有難いのですが、利用規約に同意できません。特に、第6条と第10条。
あと、規約文中に誤字があるというのは、文が意味を成さなくなるので、法的効力はどうなるのでしょうね。
私がCGを余り好きでないのは、単なる個人的な好みの問題で、やっぱり古いのでしょうかね。
それにしても、CGの技術の進歩は本当に凄いですよね。