当直時の手紙書き |
うちの病院の当直は24時間半(8:00-翌日8:30)です。
朝8時から夕方の5時までは通常の勤務。5時から翌朝の8時までは「待機勤務」。
「待機」という事は、「何事もなければ何をしていてもいい自由な時間」という訳。
夜も、誰かに叩き起こされない限り、眠っても構いません。
だから24時間半勤務でも法律違反にならないし、自由時間だからお金も殆ど貰えない。
でも、何事もない当直なんてあり得ないから、結局ただで利用されている訳です。
しかも、いつ何時、一秒を争う緊急事態が発生しないか知れないので、何をしていても絶えず気が張っています。眠りも浅い。
ま、それはさておき。
待機の時間には、手紙をせっせと書きます。
手紙というのは、紹介状・報告書とでも言いましょうか。これを書くのは、私達医者の仕事の大きな割合を占めます。
ドイツでは家庭医をもつシステムになっていて、病院や専門医からの報告書は全て家庭医に送られ、家庭医が全てのデータを把握する役割を担っています。
だから、色々な医者にかかっているうちに何が何だかわからなくなる、という事はありません。よいシステムですが、その分事務作業は増加します。
そして、うちのようなリハビリセンターでは、更に保険・年金会社へも報告書を送らねばなりません。
リハビリセンターの最大の役割は、「ひとを再び勤務可能にする」というもので、それが果たせなかった場合には、その人は「早期年金者」になります。
つまり、「今までの仕事を続けられるか」「どういう仕事内容なら可能か」という詳細にわたる判断を私達がして、保険・年金会社はその報告書を元にして最終的な決断を下す訳です。
そこを狙って、本物の重病人の中にナマケモノが混じり込んでくるため、なかなか厄介です。
そのため、細部にわたる聞き込み調査も欠かせません。
つまり、私達に要求されるのは、数枚にもわたる煩雑な手紙なのです。
今晩の当直は比較的静かで、5通書き上げました。まずまず。
でも、まだあと11通も溜まっているの~(泣)。外国人にはつらい仕事です。
私の診察室。この位置から後ろを振り向くと診察台があります。
これはまだ最初の頃で、今はもう少し壁に飾りをつけたり、観葉植物を茂らせたりしています(今この写真を見ると、殺風景だなー・・・と思います)。
この職場に応募した時に感動したのは、HPのどの写真を見ても、窓の外が緑だった事です。素敵な環境です。