有毒な植物にご用心!(1) Giftpflanzen |
「自然の毒は怖くない」「動物は自分に合う物を本能的に知って口に入れている」
という意見もよく耳にしますが、私はそうではないと思います。
自然界にも猛毒はありますし、動物が間違えて有毒なものを食べて死ぬ事もあります。
先日の研修で小児科の救急についての講演があったのをきっかけに、
有毒植物図鑑「Giftpflanzen, Pflanzengifte (Roth, Daunderer, Kormann 著)」を引っ張り出してきて、一通り勉強してみました。
改めて見ると、庭の花や観葉植物などでも、有毒なものの何と多い事か。
身近なものでも、
ポインセチア、シクラメン、スノードロップ、クロッカス、水仙、エニシダ、チューリップ、けまん草、オダマキ、けし、藤、ポトス、玉珊瑚、ツタ・・・
と、毒のある植物は沢山ありますが、
これらは大体弱い毒なので、それ程怖くはない。
特に怖いのは、例えば葉を1、2枚口に入れただけで、とか、活けた水を飲んだだけで、命にかかわるという、そういう強い毒です。
(植物以外の子どもの誤飲事故で怖いのも、やっぱり「一口で」「一錠で」命にかかわるものです。それは例えば、車の凍結防止のウォッシャー液とか、抗うつ剤とか。)
普通は子どもの頃から「これは毒」と周りの大人に教えられて育つものですが、
異国の地にぽんと来てしまうと、途端にその知識が欠如している事に気付きます。
実際に私は後述のEibeをモミの木の仲間だと思っていて、枝を切ってきて食卓に飾った事があります。
ただ、私は食用のコップには決して植物を挿しません。コップに挿す場合も「花用のコップ」が決めてあります。キッチン鋏では決して植物を切らず、必ず園芸用の鋏を使います。それが救いでした。
子どもは花を摘んだり、実を集めたりが大好きですし、ままごともします。
植物を触った手を、洗わずそのまま口に入れてしまうかも知れません。
きれいな花は、コップに挿して食卓に飾る事もあるでしょう。
私など、幼い頃友達に「甘くておいしいよ」と教えられて、ツツジの蜜を吸った事も確かあった気がします。
今日は大変長くなりますが、ドイツで身近にある、毒の強い植物の主なものを御紹介。
リンクはウィキペディアに飛びます。写真も大体そこから拝借しています。
一度でも写真を見ておくと、「あ!これはそう言えば・・・」と気付きやすいので、集めてみました。
但し、私は植物には詳しくありませんので、本当にその植物の写真かどうか(そっくりさんでないかどうか)、真偽の判断ができません。私の図鑑に載っていた学名を載せておきますので、似たような植物が多い場合は、その学名から御自分で調べてみて下さい。
また、和名はウィキペディアで出てきた名を書いてあります。日本語が見つからない場合は英語を載せました。こちらも、詳しく調べる時には元のラテン語の学名からお願いします。
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Sehr stark giftige Pflanzen (+++) 猛毒の植物
Bilsenkraut (Hyoscyamus niger); ヒヨス(全て)
alle Pflanzenteile, +++
Eisenhut (Aconitum); トリカブト(全て)
alle Pflanzenteile, +++
Engelstrompete (Datura suaveolens); キダチチョウセンアサガオ属、エンジェルストランペット (全て)
alle Pflanzenteile, +++
Giftsumach (Rhus toxicodendron L. ); Atlantic poison oak(全て)
alle Pflanzenteile, +++
Goldregen (Laburnum)(全て、特に豆に似たさや)
alle Pflanzenteile, v. a. die bohnenähnlichen Hülsen, +++
Herbstzeitlose (Colchicum autumnale); イヌサフラン(全て)
alle Pflanzenteile, +++
Lebensbäume (Thuja occidentalis L., Thuja orientalis L.)(枝先、きゅう果)
Zweigspitzen(Treibe), Zapfen, +++
Maiglöckchen (Convallaria majalis); スズラン(全て、特に花と実)
alle Pflanzenteile, besonders Blüten und Frucht, +++
Paternostererbse (Abrus precatorius); トウアズキ(噛み砕いた豆)
Zerkaute Bohnen, +++
噛まずに飲み込んだ場合は消化されないので大丈夫だそうです。
Sadebaum (Juniperus sabina)(全て、特に枝先)
alle Pflanzenteile, v. a. Zweigspitzen (Treibe), +++
Gefleckter Schierling (Conium maculatum); Hemlock(全て)
alle Pflanzenteile, +++
Seidelbast (Daphne); ジンチョウゲ属(全て)
alle Pflanzenteile, +++
Stechapfel (Datura stramonium L.); チョウセンアサガオ属(全て)
alle Pflanzenteile, +++
Tollkirsche (Atropa belladonna); ベラドンナ(全て)
alle Pflanzenteile, +++
Virginische Zeder (Juniperus virginiana); エンピツビャクシン(全て)
alle Pflanzenteile, +++
→つづきます
Giftnotruf 毒物救急(各州に一つあります)
Berlin (030) 1 92 40
Bonn (02 28) 1 92 40
Erfurt (03 61) 73 07 30
Freiburg (07 61) 1 92 40
Göttingen (05 51) 1 92 40
Homburg (0 68 41) 1 92 40
Mainz (0 61 31) 1 92 40
München(0 89) 1 92 40
Nürnberg (09 11) 3 98 24 51, (09 11) 3 98 26 65
Wien +43-1-406 43 43
Zürich +41-44-251 51 51
とらきち改めLabyと申します。
一応生物学専攻でしたので大体は把握しています。
植物だから大丈夫と侮る考えは改めるべきであり、本来はほぼ全ての植物に多かれ少なかれ、何らかの毒性があります。
市販のガイドブックを素人判断で使用することは避けるべきであり、農薬を使用されていようが、毒性の低いスーパーの野菜や果物を買う方が賢明ですね。
植物もなかなか奥深いものですね(*^_^*)
お久しぶりです。その後如何お過ごしですか。
「自然のものだから大丈夫」という人、意外に多いのです。神経質になり過ぎるのも考えものですが、無頓着過ぎるのも危険で、ほどほどが大事ですね。
くまさんもどうかお身体いたわってくださいませ。
危険と言いつつ、私は山菜が大好きだったりします(笑)
ふきのとうなどの山菜を用いた天ぷらは非常に美味しいですよね♪
筍も、処理に手間がかかりますが炊き込みご飯などにして鰹節を添えると、料亭の味になりますね(*^_^*)
スーパーの野菜や果物は味が薄いと言いますか、寂しさも感じます。塩梅は難しいですね(^_^;)
トリカブト、きれいな花ですよねー。イヌサフランもきれいで目を惹くので要注意です。
Lebensbaumなんて、生垣によく使われているし、日本で生茸の下に敷いている枝に似ているし、これが「+++」だというのにも驚きました。
山菜、おいしいですよねー。信州に住んでいた頃、春の一番の楽しみでした。
そう言えばこの有毒植物図鑑にはつくしも「+」で載っていたのですが、日本のつくしはどうなんでしょう。
つくしはアルカロイドなどを含んでいるため、大量に摂取すると危険ですね。しかしながら土壌の成分なども関係してくるので、国により、地域により、一概に安全なものだとは言い切れないかもしれないです。
日本語のサイトは効能ばかり記載されているため、あまり参考にはなりません。一応英語のサイトを載せておきますね♪
www.botanical-online.com/medicinalsequisetoangles.htm
※Toxicityの箇所に詳しく記載されています。お暇があればどうぞ!!
大切な情報を共有したいというお気持ちは分かりますが、あくまでも本の紹介程度に留めておかないと、著作権法に触れるかもです。なので私も本の内容は詳しく言えないのです(^_^;)
先ほど紹介したサイトも、ドラッグすら出来ません。理研の問題もありましたし。
ブログなどSNSは微妙な立ち位置でして、利用規約に一応書いてはありますが黙認されている節もあります。ですからこのコメントも、それほど気にしなくて大丈夫です。
不躾なコメント失礼しました、くまさんならご理解頂けるかなと思い書いた次第です。
前記事の飛行機事件は、様々な方に多大なショックを与えたものと考えています。もしかしたら、神経が参ってしまい、あらぬことを考えていらっしゃる方がみえる可能性も無いとは言い切れません。
そしてくまさんはその次にこの記事をお書きになりました。毒を高濃度で持つ植物、まして山に行けば簡単に見つかる非常に危険な毒物です。
このブログは沢山の方が拝見しているでしょう。その中に精神的に脆弱性を抱えている方がいないとは言い切れません。これからはその点を配慮して頂きながら記事を書いて下されば良いのではと感じます。
私はブログを辞め、こちらにも参りません。それでは失礼しました。
有難うございました。
どうぞお大事になさって下さいね。
わざわざ御親切に有難うございます!
そのお気持ちが、とっても有難く嬉しいです。