2012年 07月 12日
看取り |
ここ何箇月間か、友人の最期に深く関わっていました。
友人と、ドイツの家族、日本の家族の間に立つ事になり。
言葉の壁だけでなく、考え方や文化の背景の違い。
医者だから見えてしまう現実と、家族だから見逃してしまう部分のズレ。
死を家庭から追いやる現代社会と、私自身の友人への想い。
余りずけずけと立ち入り過ぎないよう、
でもそれらの溝を少しでも埋めるべく。
国際結婚というものの問題点も、改めて思い知らされました。
橋渡しをしていた人物がいなくなるという事は、
双方の断絶にも近い。
そして、行く度に目にする、
どんどん弱り、アブセント(幸田文の表現より)になってゆく友人の姿。
まだ若い友人ゆえ、その子も若く幼く、親もあり。
家族の苦悩と、それに反するような楽観。
「できる事なら代わってやりたい」と泣く親御さんに、私なぞが掛けられる言葉もなく。
そういうものに揺さぶられながら、必死で踏ん張り続けていました。
気が張っている間は気付かずに大回転し続けていたのですが、
友人が亡くなって、どっと疲れが出てきて、
今は全身疲労で、頭もぼーっとしています。
眠れない夜に幸田文の「父」を読んで、
その看取りの姿勢に、また瞠目させられました。
この人の真実を貫き見る力には、本当に感嘆させられます。
by germanmed
| 2012-07-12 00:00
| いろいろ
|
Comments(14)
Commented
by
あいこ
at 2012-07-15 18:25
x
こんにちわ
初めて投稿します。
つい先日,義弟(夫の弟)の看取りに深く関わってしまいました。
友人には,「弟といっても義弟でしょ?(血のつながりもないのに)なんであなたがそこまでかかわるの?」と言われながら。
義弟といってもその配偶者(義妹)も含め,私には血の繋がった家族同様でした。
多少なりとも医学的知識があるため(医療系免許は持っていません)医師の説明にも間に入って義妹に説明したり,一緒にICUに通ったり。
結局最後の最後まで一緒に看取りました。
が,私の行為が正しかったのかどうか,わかりません。
きっと,いつか私が向こうへ行ったときに義弟と話を聞かないと本当に彼にとって良かったのか,わからないと思います。
正解ってないですよね。
メンタルの主治医にだけは打ち明けました。先生は「あなたの行動はみんなが感謝してるよ。」と言ってくださったのですが。
私はこのことを,向こうにいくまでずっと胸に抱えたまま生きていくんだろうなあと思っています。
正直辛いです。
幸田文の「父」読んでみます。ありがとうございました。
初めて投稿します。
つい先日,義弟(夫の弟)の看取りに深く関わってしまいました。
友人には,「弟といっても義弟でしょ?(血のつながりもないのに)なんであなたがそこまでかかわるの?」と言われながら。
義弟といってもその配偶者(義妹)も含め,私には血の繋がった家族同様でした。
多少なりとも医学的知識があるため(医療系免許は持っていません)医師の説明にも間に入って義妹に説明したり,一緒にICUに通ったり。
結局最後の最後まで一緒に看取りました。
が,私の行為が正しかったのかどうか,わかりません。
きっと,いつか私が向こうへ行ったときに義弟と話を聞かないと本当に彼にとって良かったのか,わからないと思います。
正解ってないですよね。
メンタルの主治医にだけは打ち明けました。先生は「あなたの行動はみんなが感謝してるよ。」と言ってくださったのですが。
私はこのことを,向こうにいくまでずっと胸に抱えたまま生きていくんだろうなあと思っています。
正直辛いです。
幸田文の「父」読んでみます。ありがとうございました。
Commented
by
Nao
at 2012-07-17 03:54
x
お久しぶりです。黒い森の北端から。私は幼い幼児を二人抱え、ふと「私が大病したり、死んでしまったら、どうなるのかしら?」と漠然と考えたことが何度もあります。父は働き盛りの50代で、ある日、余命1年と宣告され、本当に1年後に亡くなりました。ハーフマラソンが趣味で、日に焼け、健康そうだったのに。それがトラウマになったのでしょうか?自分が死んだらってふと考えます。くまさんの友人の方もお若かったのですね…何歳で亡くなっても「死」は辛いものですが、お子さんが幼かったという点に反応してしまいました。身近なところで死を目にしたり、耳にしたりする度に、そもそも生きているということ自体がありがたいことなのだと再認識します。実はここ1ヶ月以上、ひどい悪阻(第三子妊娠中なのです)で、入退院を繰り返していました。点滴なしでは食事も水分も摂取できず、辛い日々ですが、1日1錠の錠剤で乗り切れる(それでも時たま嘔吐はするのですが)程度までには回復しました。まだまだ体が思うように動かず、悶々として過ごしていますが、くまさんの日記を拝読させていただき、落ち込んでいる場合ではない!と反省しました。生きていること自体、ありがたいことですよね。
Commented
by
penedescat at 2012-07-18 00:43
20代のころはまだ死といものが遠い存在だったけれど、この年になり両親も70代になり、まわりでも訃報が相次ぎ、死について考える機会が増えています。
国際結婚のくだりでの一文
〉橋渡しをしていた人物がいなくなるという事は、
双方の断絶にも近い。
とても心に響きました。
国際結婚のくだりでの一文
〉橋渡しをしていた人物がいなくなるという事は、
双方の断絶にも近い。
とても心に響きました。
Commented
by
germanmed at 2012-07-21 07:12
★あいこさん、はじめまして。
本当に、看取りには正解というものはないと思います。何をどんなに頑張っても、悔いのない看取りなんて、まずあり得ませんから。だからこそ、エネルギーも吸い取られるし、その後もつらいんですよね。
私は看取りに関しては、100点満点からの総合点ではなく、やってあげた一つ一つの事をプラスとして評価していくのがいいのではないかと思います。どんな小さな事でも、一つでも多く、やればやる程、限りなく点が上がっていく。
あいこさんが、ご自分がつらい思いをしながら彼のためにしてあげた事は、「正しさ」云々ではなく、ただただ増えていくプラスだったのだと私は思います。
本当に、看取りには正解というものはないと思います。何をどんなに頑張っても、悔いのない看取りなんて、まずあり得ませんから。だからこそ、エネルギーも吸い取られるし、その後もつらいんですよね。
私は看取りに関しては、100点満点からの総合点ではなく、やってあげた一つ一つの事をプラスとして評価していくのがいいのではないかと思います。どんな小さな事でも、一つでも多く、やればやる程、限りなく点が上がっていく。
あいこさんが、ご自分がつらい思いをしながら彼のためにしてあげた事は、「正しさ」云々ではなく、ただただ増えていくプラスだったのだと私は思います。
Commented
by
germanmed at 2012-07-21 07:26
★Naoさん、こんにちは。
ご懐妊、おめでとうございます!子宝が三人もなんて、素晴らしいですね。悪阻が早くおさまる事をお祈りしています。
体が動かなくて悶々となさる気持ちもよくわかりますが、一つの命をお腹の中で育んでおられるのですから、それだけでももの凄い大仕事をしている訳です。どうぞ無理なさらず。
命ある事。命を育める事。本当に幸せな事ですよね。
ご懐妊、おめでとうございます!子宝が三人もなんて、素晴らしいですね。悪阻が早くおさまる事をお祈りしています。
体が動かなくて悶々となさる気持ちもよくわかりますが、一つの命をお腹の中で育んでおられるのですから、それだけでももの凄い大仕事をしている訳です。どうぞ無理なさらず。
命ある事。命を育める事。本当に幸せな事ですよね。
Commented
by
germanmed at 2012-07-21 07:39
★penedescatさん、こんにちは。
私自身、その点については余り意識していなかったんです。今回の事で、「そうかー・・・」と。
二親等でも、言葉が満足に通じない。ハーフなら、自分のルーツの半分が断ち切られるような感じになる。それは死別だけでなく、他の別れも伴っているのだな、と。
私自身、その点については余り意識していなかったんです。今回の事で、「そうかー・・・」と。
二親等でも、言葉が満足に通じない。ハーフなら、自分のルーツの半分が断ち切られるような感じになる。それは死別だけでなく、他の別れも伴っているのだな、と。
Commented
by
Nao
at 2012-07-22 15:10
x
くまさん、三人目を妊娠したことは嬉しいことに違いないのですが、実は妊娠発覚してすぐひどい悪阻が始まったので、今だに喜びや実感はまったくないのです。過去2回の妊娠出産はトラブル知らずだったので、戸惑っています。VomixAを点滴してもらったり、錠剤で摂っているのですが、摂取期間があまりに長いので、胎児への影響が心配です。精神的にも、体力的にも一杯一杯なのと、不安で、嬉しいと言う気持ちが押さえつけられているのだと思います。いくら事前に検査をしても、実際に生まれてくるまで安心はできないですものね…。年明けに出産予定です。
Commented
by
mildpink at 2012-07-24 13:56
9歳の時に祖父を亡くしました。私を特別に可愛がってくれました。
私は、他の家族からは阻害されていたので、その愛情を全身で受け止めていましたが、、、、祖父は、頑固で、自分勝手な人だったようで、亡くなる一ヵ月前から、親戚が出たり入ったり、、、、、その間に『まだ生きてるよ』『いつ死ぬんだ、早くしてくれないか』との言葉を聞くたびに、一人トイレで泣いていました。
父は、数年前に亡くなりましたが、二人とも、寿命だったと思っています。まだ、諦めも付きますが、親や幼い子供を残して先に逝くのは、多くの人を悲しませてしまうのでしょうね。
命は、いつ消えるかも分からず、身近な人とのお別れは、辛いですよね。私も、家族に残す言葉をよく考えてしまいます。最期にはやはり、『ありがとう』しかないのかな、、、、、と思ったり。
命の大切さ、、、、、震災の時にも強く感じました。
私は、他の家族からは阻害されていたので、その愛情を全身で受け止めていましたが、、、、祖父は、頑固で、自分勝手な人だったようで、亡くなる一ヵ月前から、親戚が出たり入ったり、、、、、その間に『まだ生きてるよ』『いつ死ぬんだ、早くしてくれないか』との言葉を聞くたびに、一人トイレで泣いていました。
父は、数年前に亡くなりましたが、二人とも、寿命だったと思っています。まだ、諦めも付きますが、親や幼い子供を残して先に逝くのは、多くの人を悲しませてしまうのでしょうね。
命は、いつ消えるかも分からず、身近な人とのお別れは、辛いですよね。私も、家族に残す言葉をよく考えてしまいます。最期にはやはり、『ありがとう』しかないのかな、、、、、と思ったり。
命の大切さ、、、、、震災の時にも強く感じました。
Commented
at 2012-07-26 06:03
x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented
by
germanmed at 2012-07-31 06:15
★Naoさん、こんにちは。
私の妊娠初期は、検査の度に「もう生きていないかも・・・」という状態だったので、「つわりがあるのは生きている証拠」と、何とかポジティヴに考えるようにしていました。
どうぞお大事に!
私の妊娠初期は、検査の度に「もう生きていないかも・・・」という状態だったので、「つわりがあるのは生きている証拠」と、何とかポジティヴに考えるようにしていました。
どうぞお大事に!
Commented
by
germanmed at 2012-07-31 06:22
★mildpinkさん、こんにちは。
若くして迎える死というものは、本人にも家族にも、本当にたまらないものだなあと、しみじみ感じました。
「ありがとう」と言って逝ければ、一番幸せですよね。
若くして迎える死というものは、本人にも家族にも、本当にたまらないものだなあと、しみじみ感じました。
「ありがとう」と言って逝ければ、一番幸せですよね。
Commented
by
germanmed at 2012-07-31 06:25
★鍵コメさん、こんにちは。
そうですね。残された者は、その命の貴重さを噛み締めて、大切に精一杯生きていかなければいけないのだなあ、と思います。
有難うございます。鍵コメさんも、どうぞご自愛下さい。
そうですね。残された者は、その命の貴重さを噛み締めて、大切に精一杯生きていかなければいけないのだなあ、と思います。
有難うございます。鍵コメさんも、どうぞご自愛下さい。
Commented
at 2012-08-02 17:21
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented
by
germanmed at 2012-08-03 06:30
★鍵コメ2号さん、こんにちは。
有難うございます。
そう。エネルギーが吸い取られるんですよね。
ずっと記事にする暇がなくて溜まっているのですが、その後気分転換もいろいろやって、大分這い上がってきました。
有難うございます。
そう。エネルギーが吸い取られるんですよね。
ずっと記事にする暇がなくて溜まっているのですが、その後気分転換もいろいろやって、大分這い上がってきました。