卵の話し |
汚染されたのは、北ドイツを中心に、卵、肉(鶏など鳥類、豚、牛)、乳など。
私は養鶏場の孫娘として育ちましたから、卵が大好きですし、思い入れも強い。
近年コレステロールだの何だのと騒がれるようになっても、全く気にしていません。
「それだけ」でひよこが育つ位の、優良で完全な栄養バランス。
食べる度に、こんなものを毎日1個産み出す鶏というものに、感嘆してしまいます。
昔は病人や妊産婦に卵を届けたほどなのに、今はコレステロールを理由に目の敵のように扱われるなんて。
心が痛むのは、鳥インフルエンザだの今回のダイオキシン騒動だので、処分される鶏や卵。
確かに卵には、飼料が顕著に反映されます。
「ドイツの卵は黄身の色が薄いのが多い」と文句を言う日本人もままいますが、
黄身の色を強くしたければ、黄色い餌を与えればいいだけなのです。
餌と卵の結び付きはそれ程単純で、それを消費者が求める国では当然そうしているでしょう。
実際には食べてすぐどうこうという程の量の毒ではないとはいえ、規定は規定。
今回汚染されたとはっきり判っているものを処分する事は、悲しいけれども仕方がない。
でも。
家庭では今回きっと、買い置きの不明な食料が沢山廃棄された事でしょう。
(ダイオキシンが大気・土・水などに放出されないように処分しようと思ったら、そう簡単ではない。「わからないから怖くて食べられない」と買い置きのものを捨てた人は、「自分が食べられない程恐ろしい毒かも知れないもの」を一体どうやって処分したのだろう。)
どこから飼料を購入しているか調査し、検査もされて「この農家の卵・肉は大丈夫」というお墨付きが出たものまで拒否して、「当分肉も卵も買わない」と宣言している人も結構多い。
じゃあ、加工されている食品はどうする。
卵なら焼き菓子や、パスタをはじめとする麺類などなど。レシピによってはケーキ1台焼くのに卵6個とか、パスタ1人前に卵1個とか使うけど。肉のエキスなど、実に様々な加工食品に入っている。
働いている人なら、社員食堂などでの外食が避けられない事も多いでしょう。
そこまでの猛毒だと思うのなら、簡単にそこらに捨ててはいけない。
目の前の卵1個を拒否するのなら、見えない卵1個も拒否しなくてはおかしい。
形で見えるものだけ「買わない」という行為は、意味がないし、
それでいながら、農家へはちゃんと大打撃を与える。
だから、ヒステリックにそういう行為に走るのはどうかと私は思います。
そもそも、今回はたまたまダイオキシンという事で大騒ぎになったけれど、問題の根はもっと深いと思うのです。
多くの農家が、厳しい価格競争の中でひたすら価格を抑える事や、黄身の色のように消費者の嗜好に合わせる事を余儀なくされている事を、消費者の責任として、もう少し意識したい。
そもそもBSE(狂牛病)の騒ぎの時に知って私が愕然としたのが、本来草食である筈の牛に肉を与えていたという事実。
今回のダイオキシンは、飼料の原料である「廃油」に入っていたのだとか。バイオディーゼル業者から購入したという、そんなものを食べている鶏。もしそこにダイオキシンが含まれていなかったら、私達はそんな事実を知る事すらなかった訳です。
安い飼料なら、残留農薬だって入っているだろう。国によっては早く育てるために成長ホルモンを与えたり、病気の予防として抗生物質漬けにしたり。
しかも、肉や卵など食物連鎖の最後の方にいるものには、生体濃縮によって毒も多くなる。
(その辺については、有吉佐和子「複合汚染」に詳しい。)
それらが全て、私達の口に入る。
「うちはBio(有機・無農薬・無添加)しか買わないから関係ない」と言うのにも、ちょっと抵抗を覚えます。Bio製品を買える経済状態の人ばかりではないのだから。
また、Bioなどの野外飼育なら完璧かと言うと、
野外飼育だからこそ野生の鳥や動物との接触があり、病原菌を貰ってしまう事だってあります。
Bioの厳しい規格に合うようにするのは非常に大変で、とてもそこまでは出来ないけれど、でも頑張っていいものを作っている農家もあります。
私達消費者が「少し高くてもその分安全なものを」という、見えない部分を求めるようになると、少しずつでも変わっていくのではないかしらと思います。
また、こういうスキャンダルが「出る」という事は、検査システムが一応機能しているという証拠でもあります。
明るみに出るか出ないかの差だけであって、こういう事実そのものが存在しない国はごく稀なのではないでしょうか。
夫は「価格競争を抑えて、その分よいものを作れるように農家を守るのが国の務めなのに、ドイツ政府の怠慢だ」と怒っていますが、
それでもドイツの食品は、他の国に較べたらまだしも安心して食べられると、私は思っています。
少し話しは変わりますが。
ドイツでは「生卵にはサルモネラの危険がある」というのが常識で、だからマヨネーズやティラミスなど生卵を使う時には細心の注意を払うのが当たり前(①新鮮な卵で、②気を付けて正しく扱えば、確率はとても低くなるのです!)。
薬の投与や卵の殺菌による「安全な卵」というのは、私は逆に怖い気がするのです。
「腐らない、カビも生えない、日持ちのする、見栄えのよい食品」が多い日本は、色々な意味で大丈夫なのだろうか。
少し割れやヒビの入った卵が家用で、毎日毎日たくさんの卵を食べた。
一所懸命混ぜても黄身と白身がなかなか混ざらない位、しゃっきりした卵。
朝は必ず卵ごはんで始まる。うちでとれたピカピカのお米に、生卵がふんわり。
うちの畑では、鶏糞を肥料にして飛び切りおいしくて元気な野菜ができたし、
祖母が作ってくれた卵豆腐や茶碗蒸しの味は、今も忘れられない。
成鳥になると、個々の産卵状況を把握するために個別のケージになったけれど、
鶏が身動き出来ない程狭いものではなかったし、
外の光も空気も入れる造りの鶏舎で、昼間は電気なしで作業できる位の明るさはあった。
冬には鶏が風邪(?)をひかないように、ニンニク入りの餌だった。
ひよこを抱かせてもらったり、鶏舎の中に祖父が作ってくれたブランコで遊びながら育ち、餌やり、卵とり、鶏の引越し(*)・・・と、全て手作業で手伝っていた。
(*鶏の成長と共に小屋を移し、空にした小屋を大掃除する。)
そうして餌まみれになって暮らし、浴びるように卵を食べても、怖くないものしか入っていなかった。
豊かな時代になって卵が安くなり、見向きもされなくなり、嫌われるようにもなり、
それで生計を立てていくのは本当に大変だったらしいけれど、
お金はなくとも、食生活だけは王様のようだったな、と、今でも思う。
人生の大半を全くの病院知らずで過ごした祖父母だった。
ドイツで出会う患者さんの中でも、歳のわりに驚く程元気なのは、圧倒的に農家の人達。
高齢なのに、「常用薬なし」「今回が初めての入院・手術」「自立した一人暮らし」などなど。
手術後の回復の早さも、一世代若いデスクワークの患者さん達などその足元にも及ばない。
健康な食生活と、体を動かして暮らしている事。それなのだろうと思う。
そのせいか、元々の体質かはわかりませんが20代半ば頃すでにコレステロールやや高めになってました(笑)
ダイオキシンはこわいけれど、うちは卵の番号だけ確認して他の食品はそのままにしています。
本当にキリがないよね。
ところで、ドイツは食料品が本当に安いですね。その分ガソリンや電車など高いものも多いですが…
(円高で換算しているので余計に)ドイツ産と書かれているものでも、この価格で大丈夫なのか?とこちらが心配になるほどです。
やはりあの価格を維持するために、農家の方に負担がかかっているのでしょうか。
気になるなら高いものを買えば良いのかもしれませんが、やはり安いものに目がいってしまいます。。。
平飼いでのびのびと育てられている小さな養鶏場を見てきたばかりなのですが、
くまさんのお家の養鶏場も素敵ですね!
小屋の中にはお日様の光が入って、鶏たちも、ぜんぜん窮屈そうではありませんね。
ほんとうに栄養いっぱいの美味しい卵を産んでくれそう♪
連れが年末までいたアフリカの国では、
卵の黄身が、周りの白身の色とかわらないくらい白かったのだそうです。
くまさんのおっしゃるとおり、飼料の違いによるものでしょうけれど、
それは不気味で、味もそっけもなにもない卵で、
いったいこの国の鶏は、どんな酷い飼い方をされ、
どんなに質の悪い餌を与えられているのだろうと不安になりつつ、
衛生上の問題で、ほとんど食べ物のチョイスはできなかったので、
我慢して食べていたそうなのですが・・・
日本の卵はおいしいねぇ!と今さらながら感動して、すごく嬉しそうにしています。
私も卵が大好きなんです。毎日食べておりますよ♪
たまに、旦さんが、ゴルフ場の近くで、"美味しい卵"と言うのを買ってきてくれます。
黄身の濃さと、白身のプルンプルン、、、箸で持っても、シッカリしてる。
味も、濃くて、本当に美味しいです。
近所のスーパーで買う卵も、よく分からないので、値段で決めています。高ければいいとは思いませんが、BIOとか、自然放牧(?)と言う話で、、、、
口に入るものには、気をつけたいですね。
飼料の原料に廃油が入っていたというのには、驚きました。鳥も病気になりやすくなってしまわないんでしょうか。。
卵が原因で、20代にコレステロール値が高くなるという事は、まずないと思います。
一般に「コレステロール値」と呼ばれるものにも色々とあって、中には高い方がいいものもあります。
他の脂肪の値には、食生活に大きく左右されるものもありますが、
コレステロール値自体は、所謂「善玉」でも「悪玉」でも体質によるものが大きく、食生活によって与えられる影響はごく限られています。
アフリカから無事にお帰りになられたのですね。よかった、よかった。
ひろろ箱さんも、やっと一安心ですね。おいしい卵を沢山食べてもらって下さいね~。
黄色過ぎる黄身も不自然ですが、そこまで白い黄身というのは、確かに不思議ですね。
おいしい卵を食べると、それだけで幸せになってしまいます。
その「美味しい卵」、食べてみたいです~。うう。
はい。インターネットの海の中で見つけた鍵コメさんに、懐かしさと親しみを感じて声を掛けたのは、そんなルーツがあったからなのでした。
私もいつか、田舎の庭付きの家に住めるようになったら、数羽でいいから鶏を飼いたいなーと思っています。鶏糞も欲しいし(あ、でもシメるのは無理・・・祖母など一切肉食しない人で、そちらの方は無縁だったのです)。
チャボの卵はおいしいですよね。
私の祖父母のうちでも、自家用にチャボを少し平飼いしていました♪
事後報告ですがブログに紹介させて頂きました。
安全で確かな物。
私の子供の頃はほとんどBIOだったと言うと。
それは自然(ナチュラル)だったと言うのよと笑われましたが。
今、日本でほとんどの人がペットボトルのお茶(特に麦茶)を買って飲んでいる
あのお茶は何日たっても腐らないのだそうです。
お茶くらい、麦茶くらい自分でたきだせばいいのになあ。
と思わなくもありません。
ダイオキシン、私もニュースで聞きましたが、疑いだすと何も食べられないとも思うので、卵も今まで通り毎日食べています。
食=自らの身体となるという点は、国がもっと大事に考えていかないと、と私も思っています
食糧難もだんだん身近になってきたのかな、と最近思いました
鶏を平飼いし、卵を生ませています。
この間、旦那がそこを訪ねたおり、お土産にその卵をもらってきたのですが、そのあまりの味の濃さに驚きました。
普段、私は出来るだけ市場で新鮮な卵を買うようにしていますが、
それでも、その味はわたしたちが食べているものとは随分違いました。
本当に味のある、自然の物を食べることは、体自身が喜ぶことであり、
私も食には気をつけていきたいなと思っています。
御紹介有難うございます!
おうちの鶏達は、幸せそうですねー。
(でもまさみさん、ブロッコリーの芯は召し上がらないのですか?硬い皮さえ剥いたら中はおいしいんですよ。)
ペットボトルや缶入りのお茶が出始めた頃は、「お茶なんて、わざわざ買って飲む人がいるのかなあ」と思ったものですが、確かにこのままいくと、お茶の淹れ方も知らない子どもが出て来そう・・・。
「宵越しのお茶は飲むな」というのも、そのうち通じなくなりそうですね。
私の祖母が一番好きだったのはゆで卵で、でも割れやヒビのない卵は売り物だったので、それは祖母にとっては滅多にしない贅沢でした。
今の私から見ると、そんなささやかな喜びくらい満たせばよかったのになー・・・と思います。
その後どうですか?
「国の保護が足りていない」という点では同じですが、ドイツの方がましかな、と思います。
宮崎牛の騒ぎの時に「騒ぎを静めるために」検査結果が陰性だった種牛まで殺させたり、
豊作だったら価格を下げすぎないためにブルドーザーで潰したり、
日本の国の「農家の保護」の仕方は、かなり外れている気がします。
アメリカでも日本でも鶏は鶏ですから、サルモネラの違いはない筈です。
もし違いがあるとしたら、それは鮮度の差か、薬や殺菌消毒による差のせいだと思います。
新鮮な卵で、正しい扱い方さえしたら、サルモネラ中毒のリスクはとても小さくなるんですよ。
やっぱり商業用ではなく自家用で飼うのが一番ですよね。
私もそういう田舎暮らしをするのが夢です。
ちょっと気にして卵を食べるのは気持ち控えめにしていたのですが、コレステロールについては「卵」自体はあまり関係ないとのこと少し安心しました!
あと、自分のコメント見返してみたら文章がおかしかったです。。。
失礼いたしました。。。
次に血液検査を受ける機会があったら、「何のコレステロール値が高いのか(特にHDLかLDLか)」を、しっかり訊いておくといいですよ。総コレステロール値だったら、余り意味はありませんし。
コレステロール値とは関係なく「脂」という面だけ見ても、卵などとは較べものにならないような食べ物は沢山あって(霜降り牛肉なんて、恐ろしいです)、卵は余程健康な食品だと私は思います。
上の返コメにも書いたのですが、「イタリアの卵だから卵かけごはんができない」という事はないんですよ!
新鮮な卵で、正しい扱い方さえしたら、サルモネラ中毒になる危険はとても小さくなります。
そもそも正しい扱い方をした場合、半熟卵と生卵は同じIn-Eggのリスクだけですし(リスクを無くすには半熟ではなく固茹でにしなければ駄目)、ティラミスやカルボナーラなども卵かけ御飯と同じ事なんですよー。
今、ちょうど授乳中で今回の報道に心ゆすぶられることもあったのですが、過剰に反応していたら食べるものがなくなりますし、Bioの卵も汚染スキャンダル(うちの辺りだけでしょうか?)がここ1年の間にあったので、変わらずいつもの朝市の卵屋さんの卵を買って食べています。
↓ おでんの記事を拝見して、うちでも練りものをまねっこで作ってみました。事後報告ですが、くまさんの記事のリンクを張らせていただいたのでご報告します。
知れば知るほど、怖くなります。
でも、私もbioなどにこだわりすぎるのは好きではありません。生活者としては難しい。私が住むアメリカの田舎町など、そんなもの簡単に手に入りません。
ひとつには贅沢な食事を見直すことかなと思います。1世代、2世代前、人間はそんなに動物性たんぱく質を口にできたでしょうか。飽食の結果でもありますよね。
もう40年も前のこと。子どもの私は産みたての卵は温かく、
冷えて固まっていない柔らかい殻は割れやすい事を知った。
生卵は苦手だったが、ご飯にかけて醤油をたらして
かき回すのは好きだった。
米ぬかや菜っ葉の切れ端を貝殻を砕いた粉を混ぜて食べさせていた。
餌場に餌を入れに行く時、卵が転がっていないか探した。
遙か昔の、帰省時の懐かしい思い出が蘇った。
そうですね。こういうスキャンダルがなくとも、大気や土、水なども汚染されていますから、いくらBioでも完璧という訳にはいかなくなっていますね。
リンク、有難うございます!こちらの記事にもリンクを貼っておきますね。
聞くところでは、アメリカは食品に関する規制がかなり緩いようですね。
そうは言っても何かを食べない訳にはいかないし、今の世の中では、どこに住んでいても「ある中から如何に賢く選択するか」というところでしょうか。
あたたかい卵の感触、懐かしいなーと思います。
小学校で飼育係をしていた時、丁度ひよこが来て、給食の残り野菜を使って正にそういう餌を作って食べさせていました。
この記事を読ませていただいて、また感じています。
本当にその通りですね。
不思議で厄介な病気や免疫の暴走なども近年爆発的に増えてきて、そういうのも、今迄人間が自然を支配しようとして浅はかな介入をしてきた事に対する、自然の答えなのかな、と思います。
わたしはイギリスウェールズに住んでいますが、同じように、植物や、動物について考えることが多いです。これからもよろしくお願いします。リンクさせていただきます。
実はeithbedさんのブログには時々ですがお邪魔していたので、驚きました。リンク有難うございます♪
こちらこそ、これからもどうぞよろしくお願いします。
今日のおすし、、おいしそうですね。そうか、そういうお魚の使い方もあるんですね。うちは海が近いというのに、このあたりあまり新鮮なお魚が手に入らず、困っているところなので、アイデア頂戴いたします。
先日のeithbedさんの漁業に関する記事も、興味深く拝読しました。
このMSCマークを見掛けるようになったのは結構最近の事ですし、どの程度ちゃんとした規格なのかも知らないのですが、お魚を買う時はせめてこのマーク付きを選ぶようにしています。そちらにもあるでしょうか。
命あるものを頂くのですから、あるものを有難く、そして無駄にせず、と思っています。